STORMBRINGER CD+DVD / DEEP PURPLE [j:CRITIQUE OBLIQUE]
DEEP PURPLE / ディープ・パープルの1974年の問題作(全英第6位/全米第20位)、STORMBRINGER / 嵐の使者のリマスター盤がようやくリリースされた。日本のアマゾンでは2009/3/1時点では未発売だが、英国ではもう出ている。
リマスターCDと4チャンネルミックスDVDの2枚組だが、期待されていた未発表曲はなく、その代わりGlenn Hughesによるリミックスが収録されている。リミックス自体は選曲がHughesの曲ないしお気に入りに偏っている上それほどのものではなく、かえってオリジナルミックスの出来の良さが際立ってしまっている。MACHINE HEADのリミックスは良かったのに。存在したという"Soldier of Fortune"のRitchie BlackmoreとDavid Coverdaleの二人によるデモとか発掘してほしかったのだが・・・無理か。
このアルバムはその音楽性の変化からファン離れを加速させ、その制作中の葛藤から中心人物のRitchie Blackmoreを脱退させたいわくつきの代物である。黒人音楽(ファンク、ソウル)に傾倒するGlenn Hughes&David Coverdaleと白人音楽(ロックンロール、中世音楽)に固執するRitchie Blackmoreの対立、新人二人(Glenn Hughes&David Coverdale)の自信過剰とそれを制御できない古株二人(Jon Lord&Ian Paise)へのBlackmoreの苛立ち、思い通りにアイディアが通らないBlackmoreの不満、Blackmoreの私生活破綻等々が織り交ざりアルバム制作はなかなか進まなかったという。要するにお互い仲が悪かったということだ。ちなみにBlackmoreの黒人音楽嫌いについて言うと彼はレイシストで実は日本人も嫌いである日本嫌いでもある(ハート&アリックス, P.74 etc.)。おそらく今まで日本以外の有色人種国家でツアーしたことがないはず。
結果の出来栄えといえば、良く言えばバラエティに富んでいるといえる。他にヴォーカルの出来栄えが良いとか、いろいろと良い点を取り上げてさもこれが名盤であるかのように言う人がいるけれども、客観的にみて、一番大切な曲自体のクオリティは一般に名盤とされるIN ROCKやMACHINE HEADよりずっと落ちる。駄作と言わないまでも迷盤だと思う。
まあ、やっつけで弾いたという"Hold On"の素晴らしいギターソロを聴くたび、真面目にやればもっと凄いアルバムになったんでないの?と思うわけだが。
現在のBLACKMORE'S NIGHTにつながるBlackmoreの中世音楽趣味はすでにこの時点で"Gypsy"と"Soldier of Fortune"に顕れている。個人的にはやはりこの2曲が傑出していると思う。脱退後に結成するRAINBOWでハードロックに中世音楽を取り入れるという路線を追求し一世界を築くことになる。
毎度のことながらSimon Robinsonのライナーはよくまとまっていて読み応えがある。ちょっと眉唾な話も入ってるけど。
ちなみに、音質、ミキシングともDVDの方が良い。
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リマスターCDと4チャンネルミックスDVDの2枚組だが、期待されていた未発表曲はなく、その代わりGlenn Hughesによるリミックスが収録されている。リミックス自体は選曲がHughesの曲ないしお気に入りに偏っている上それほどのものではなく、かえってオリジナルミックスの出来の良さが際立ってしまっている。MACHINE HEADのリミックスは良かったのに。存在したという"Soldier of Fortune"のRitchie BlackmoreとDavid Coverdaleの二人によるデモとか発掘してほしかったのだが・・・無理か。
このアルバムはその音楽性の変化からファン離れを加速させ、その制作中の葛藤から中心人物のRitchie Blackmoreを脱退させたいわくつきの代物である。黒人音楽(ファンク、ソウル)に傾倒するGlenn Hughes&David Coverdaleと白人音楽(ロックンロール、中世音楽)に固執するRitchie Blackmoreの対立、新人二人(Glenn Hughes&David Coverdale)の自信過剰とそれを制御できない古株二人(Jon Lord&Ian Paise)へのBlackmoreの苛立ち、思い通りにアイディアが通らないBlackmoreの不満、Blackmoreの私生活破綻等々が織り交ざりアルバム制作はなかなか進まなかったという。要するにお互い仲が悪かったということだ。ちなみにBlackmoreの黒人音楽嫌いについて言うと彼はレイシストで実は
結果の出来栄えといえば、良く言えばバラエティに富んでいるといえる。他にヴォーカルの出来栄えが良いとか、いろいろと良い点を取り上げてさもこれが名盤であるかのように言う人がいるけれども、客観的にみて、一番大切な曲自体のクオリティは一般に名盤とされるIN ROCKやMACHINE HEADよりずっと落ちる。駄作と言わないまでも迷盤だと思う。
まあ、やっつけで弾いたという"Hold On"の素晴らしいギターソロを聴くたび、真面目にやればもっと凄いアルバムになったんでないの?と思うわけだが。
現在のBLACKMORE'S NIGHTにつながるBlackmoreの中世音楽趣味はすでにこの時点で"Gypsy"と"Soldier of Fortune"に顕れている。個人的にはやはりこの2曲が傑出していると思う。脱退後に結成するRAINBOWでハードロックに中世音楽を取り入れるという路線を追求し一世界を築くことになる。
毎度のことながらSimon Robinsonのライナーはよくまとまっていて読み応えがある。ちょっと眉唾な話も入ってるけど。
ちなみに、音質、ミキシングともDVDの方が良い。
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2009-03-01 23:59
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コメント(4)
トラックバック(1)
根拠もなく
日本人も嫌いである
とおっしゃるんですか。
がっかりしました
いいブログと思ってましたが。
by n (2009-03-04 22:44)
日本人が嫌いであることは元ツアマネのColin Hartの本にそう書いてあります。レイシストであることは黒人音楽をあえて「靴磨きの音楽」と呼んでいることで分かります。(欧米は差別に敏感ですから通常こういうときには言葉を選ぶものです。)
RAINBOWにClive Chamanを入れなかったのは黒人だったからという説にCozy Powellが首肯したという話もあります。
まあ、私もファンなのであんまり信じたくないんですが・・・
by j-tull (2009-03-05 09:39)
日本語も嫌いらしいですね。これだけ来日しているのに一言も覚えようとしないとか。
by プラックモア (2009-03-05 20:44)
訂正します。「日本人嫌い」ではなく「日本嫌い」でした。「beatleg」2009年1月号によれば「公言することで有名」、とありますからこの手の発言に無頓着というか馬鹿正直なのかも。
>プラックモアさん
まあ差別主義者である傍証はいくらでもあるんですけどね。本人は堂々としてるんですがジャーナリスト側が遠慮して微妙なことになってるような気もします。
by j-tull (2009-03-05 23:46)