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全曲レビュー #149: "The Dambusters March" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"The Dambusters March / ザ・ダンバスターズ・マーチ" -- LIVE BURSTING OUT 1978年

もう1曲とばしていた。70年代のライヴで"Locomotive Breath"に続く形でプレイされていた「バルーン飛ばし用」インストゥルメンタル。原曲は映画The Dam Busters / 暁の出撃のテーマ曲でEric Coates(エリック・コーツ)によるもの。ダンバスターズ(ダムバスターズ)とは英空軍第617中隊の通称で、第二次大戦でドイツのダム爆撃で活躍した。映画はその活躍を描いたものであるがそれにもましてこのテーマ曲は有名曲となっている。

もっとも、"The Dambusters March"自体は次のインスト曲(クレジットされていない)のためのつなぎにすぎず、実際にはテーマ部分がプレイされているだけである。続くインスト曲(別の曲)は70年代前半のライヴでプレイされていた"Hard-Headed English General"の改作で、TULLの演奏力の粋を極めた力作である。

おそらくこの曲は映画音楽やクラシックに造詣の深いDavid Palmerの提案でプレイされたのだと思う。

第617中隊は現在も存在し、Ian Andersonの故郷スコットランドに駐留している。
しかしねえ、JETHRO TULLはドイツでもこの曲をプレイしていたのだ。なんだかなあ・・・




YouTube: Dambusters March (Coates)






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全曲レビュー #138: "Quatrain" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Quatrain / クォートレイン" -- LIVE BURSTING OUT 1978年

当時のライヴで"Aqualung"の露払いとしてプレイされていたインスト。

作曲クレジットはMartin Barre。
だがしかし、この曲、どう聴いてもEmerson, Lake & Palmerで有名な"Hoedown"である。(作曲はAaron Copland)

つまり、パクリである。

このノリは"Aqualung"のイントロとして絶好ではあるのだが、クレジットを盗むことはないだろうに。Barreに印税をあげたかったのかなあ?




YouTube: Jethro Tull - "Quatrain" & "Aqualung" (live at Madison Square Garden 1978)






YouTube: Hoedown - Emerson, Lake & Palmer






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STAND UP収録曲を加筆修正 [f:全曲レビュー, 1974-1979]

Collector's Editionが出たのでSTAND UPのレビューを書き直し中です。まずは収録曲の全曲レビューを加筆修正しました。

上記リンクから辿ってくださいまし。


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全曲レビュー #137: "Conundrum" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Conundrum / コナンドラム" -- LIVE BURSTING OUT 1978年

ちょっと巻き戻って2枚組ライヴアルバムLIVE BURSTING OUT(全英第17位/全米第20位)から。忘れてとばしてたが、ライヴ盤のみの収録曲があるのだった。

この曲はBarrie Barlowのドラムソロのためのインスト曲。タイトル通りIan Anderson抜きながら非常にテクニカルなプログレハードで、JETHRO TULLのバンドとしての力量を聴かせてくれる佳曲である。

作曲クレジットはMartin BarreとBarriemore Barlowになっている。Barlowのドラムソロは実にテクニカルで何度聴いても飽きない。この後、John Glascockの死去が伝わった後のツアーでのドラムソロはさらにこの数段上を行く爆走ソロになっていた。

私はYESの"Changes"はこの曲を参考にしたと思ってるんだが・・・




YouTube: Yes - Changes




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全曲レビュー #136: "King Henry's Madrigal" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"King Henry's Madrigal / キング・ヘンリーズ・マドリーガル" -- B side of "Home" EP 1979年

"Elegy"で「この曲をもって全盛期JETHRO TULLは終わった。」と書いたが、スマンありゃウソだった。アルバム最後の曲という意味では"Elegy"だが、レコーディング&リリースされた曲としてはこの曲が全盛期最後の曲といって良い。また、ベーシストにDave Peggを加えたSTORMWATCHツアー編成の唯一のスタジオレコーディング曲である。

ライヴでもプレイされ、Barrie Barlowのドラムソロがフィーチャーされていた。脱退直前のためか壮絶なプレイを聴かせているが、残念ながらオフィシャルリリースされていない。

オリジナル曲ではなく、イングランドのトラッド曲"Pastime with Good Company / よき友との気晴らし"のロックアレンジである。アレンジしたのはDavid Palmer。"Pastime with Good Company"はイングランド王ヘンリ8世の作曲といわれ、当時のライヴではPalmerがMCをとり「もしヘンリ8世がロックバンドをやったらこんな音になるだろう・・・」みたいなことを言って曲紹介していた。

元々は歌詞付きの曲だが、TULLはインストでプレイしている。

初CD化は20周年ボックスSTORMWATCHリマスター盤にもボーナストラックとして収録されている。JETHRO TULLファンは必聴の名演です。

近年もライヴでプレイされており、原題の"Pastime with Good Company"でBEST OF ACOUSTICにライヴバージョンが収録されいる。ただしアレンジのクレジットはIan Andersonになっている。

"Elegy"もこの曲もDavid Palmerだね。


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全曲レビュー #135: "Kelpie" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Kelpie / ケルピー" -- STORMWATCH Remastered Edition Bonus Truck 2004年

STORMWATCHのアウトテイク。元々はバレエプロジェクトTHE WATERS EDGEの曲だといわれている。
完全トラッド調で、あまりにトラッドすぎてアルバムに合わずボツったのかもしれない。

しかしこの曲はただのボツ曲ではない。中間部のインストはライヴで定番となっていて、JETHRO TULL、そしてIan Andersonにとってとても重要な曲なのだ。TULLのライヴテイクを漁るとこの曲(の中間部)と"God Rest Ye Merry Gentlemen"にはイヤというほどぶち当たる。

Kelpie(ケルピー)とはスコットランドの伝説上の精霊。悪いやつらしい。

初出は20周年ボックス


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全曲レビュー #134: "Crossword" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Crossword / クロスワード" -- STORMWATCH Remastered Edition Bonus Truck 2004年

STORMWATCHのアウトテイク。

マイナーなリフとメロディは印象的なものの、曲としてはやや未完成気味で、STORMWATCHの曲にはクオリティは及ばない。が、捨てがたいという何とも微妙な曲ではある。

ベースリフで始まるが、20周年ボックスのクレジットによるとこの曲のベーシストはJohn Glascockである。

Ian AndersonはJohn GlascockはSTORMWATCHのレコーディングで3曲をプレイしたところで離脱したと語っている。が、この曲と次の"Kelpie"の存在と矛盾する。なので、本当はもっと弾いていたのではないかと思う。病身ということで出来が良くなかったか、解雇という人事的・契約的事情でIan Andersonのプレイに差し替えたのでないだろうか。

初出は20周年ボックス


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全曲レビュー #133: "A Stitch in Time" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"A Stitch in Time / ア・スティッチ・イン・タイム" -- single 1978年

LIVE BURSTING OUTのリリースに合わせたシングルであるが、ライヴアルバムのプロモーションになぜわざわざスタジオ曲を新録したのか良く分からない。何のプロモーションにもならないと思うが。また、ツアーでもプレイされた形跡はない。

わざわざシングルリリースされた割には凡庸な曲で、LIVE BURSTING OUTのオーバーダブでメンバーが集まったときに勢いで作った曲なのかもしれない。
レコーディングではすでにJohn Glascockは病欠で、STORMWATCHと同じくIan Andersonがベースをプレイしている。

B面は"Sweet Dream"のライヴバージョンだった。逆にした方が正しかった気がするが、実際、国によっては逆でリリースされたみたい。

なお、この曲には3分30秒と4分20秒のバージョンがある。20周年ボックス及びSTORMWATCHリマスター盤でCD化されているのは前者で、後者はアナログシングルのみのレアテイクとなっている。

結局、シングルは全然売れなかったみたい。


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全曲レビュー #132: "Elegy" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Elegy / エレジー" -- STORMWATCH 1979年

アルバムの締めくくりはA面ラストと同じくインストゥルメンタル。この曲をもって全盛期JETHRO TULLは終わった。JETHRO TULLそのものがここで終わったとする人もいる。

曲はDavid Palmer作曲のクラシカルなピース。スタジオ盤でIan Anderson以外の人間に単独クレジットが与えられたのはファーストアルバム"Move on Alone"以来だが、"Move on Alone"自体がPalmerがTULLに関わる契機となった曲でもあり、なんだか運命的なものを感じざるを得ない。

元々はバレエプロジェクトTHE WALTERS EDGEに用意された曲の一部で、Palmerの亡き父親に捧げられている。
John Glascockが急死したことでGlascockへの哀悼曲だとする向きがあるけども、Glascock生前の曲なので誤解である。というかそもそもベースを引いているのはJohn Glascockだ。
まあ、結果としてGlascockへのレクイエムみたいになってしまってはいるのだが。

なお、実はこの曲には歌詞があり、David (Dee) Palmerは自身のコンサートでは歌入りでプレイしているらしい。

しかし間違いなく、この曲でJETHRO TULLのひとつの時代が終わった。




YouTube: Jethro Tull: Elegy (3/16/1985)




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全曲レビュー #131: "Flying Dutchman" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Flying Dutchman / フライング・ダッチマン" -- STORMWATCH 1979年

John Evan(ジョン・エヴァン)の珠玉のピアノイントロ・・・これだけでゾクゾク来る。

壮大で実にメロディアスな曲。このスケール感はJETHRO TULL / ジェスロ・タルの曲の中でもトップクラスではないだろうか。

物憂げで暗い曲調は好き嫌いが分かれるかもしれない。引きずるような曲調と中間部でトラッド調インストが入るところは"Pibroch (Cap in Hand)"を思わせる。

憂鬱さを助長しているのはなんといってもJohn Evanのピアノで、彼のベストプレイのひとつだと思う。

STORMWATCHは全盛期TULLの最後を締めくくるアルバムで、この曲は最後から2曲目なのだけど、私はこの曲が最後の曲に思えてしまう。次の"Elegy"がインストでかつDavid Palmerの曲だからかもしれない。または、歌詞がなんとなく最後を匂わせるものだからなのかもしれない。

"Flying Dutchman"とは幽霊船の船長のことで、ツアーのセットにも幽霊船を採用したらしいが、Ian Andersonとしては"Flying Scotsman(フライング・スコッツマン→Ian Anderson?)"も念頭にあったかも・・・というのは読み過ぎかな。

実は個人的に5本の指はいるくらい好きなTULLの曲。ベスト盤に入ることはないけど・・・

ベースはJohn Glascock(ジョン・グラスコック)がプレイしている。良かった良かった。


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