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HOMO ERRATICUS 感想など [a:News&Rumours]

Ian Anderson(イアン・アンダーソン)のニューアルバム - もう実質的にJETHRO TULL / ジェスロ・タルの新作といって良いでしょう - HOMO ERRATICUS / ホモ・エラティカスのリリースから2週間近く経ち、50回は聴いたでしょうか。

とりとめなく雑感をば。

前作TAAB2と異なり全曲新曲で、以前ライヴで演奏されていた曲はありません。アレもコレもまだお蔵入りかと思うともったいない気がしなくもない。

正直、一回目聴いたときは「?」でした。期待値が高かったというのもあるものの、キラーチューンがないなと。

何度も聴くうちに全体像がつかめ、勘所が分かってきました。Ian Andersonもアルバムまとめて一つの曲だとコメントしていましたが、全くその通りで、起伏や展開もあくまでアルバム全体で計算されているようです。TAAB2と同じく同じメロディをキーやリズムを変えて再利用し統一感を出そうとしています。
例えば最後の曲"Cold Dead Reckoning"、クライマックスだろうと思ってこれだけピックアップして聴くと実にあっさりしています。もう一捻りあったほうが良いのでは?と感じてしまいますがアルバムを最初から聴いてこの"Cold Dead Reckoning"に至るとむしろこのままが良い。ここで再度展開があるとむしろくどくなってしまうでしょう。

コンセプトは中年Gerald Bostock作詞の疑似英国史の体裁。タイトルのHomo Erraticusはwandering man、放浪者の意で、Ian Andersonはアルバムのテーマは人類の移動・移住・移民だと言っています。もっともerraticusには異常な、変な、という意味もあり、Thick As A Brick(=愚鈍、アホ)に通じなくもない。
例によって難解ですが、実のところ大ヒットドラマThe Walking Dead / ウォーキング・デッドがベースになっている(少なくとも大きなヒントになっている)と思われます。歌詞にもThe Walking Deadネタが散見され、事情を知るものをニタリとさせる。The Walking Deadの主役俳優Andrew Lincoln(アンドルー・リンカン)がAndersonの婿という背景があるわけですけどね。
※見たことのない方に補足すると、The Walking Deadはゾンビドラマだが主人公一行がまさにwandering menなんである。

そしてリズムに凝りに凝ったアレンジ。いつも凝っているんですが、今回は特にひねってますね。アルバム全編落ち着かないです。
音楽面ではTAAB2と同じ方向性で驚きは少ないものの、"Doggerland"でギターソロ→オルガンソロという70年代ロックの王道(しかしJETHRO TULLは滅多にやらなかった)を踏んでいたのは意外でした。また、"Tripudium Ad Bellum"はJETHRO TULLの初期を彷彿とさせるインストで、Benefitあたりの没ネタを再利用しましたと言われても信じてしまいそう。
ただ、過去のアイディアの流用も結構ありちょっとガッカリです。"New Blood, Old Veins"のベースが"Livin in the Past"のそれを下敷きにしているように意図的なものもありそうですが。
また、スケジュールの都合もあったようですがRyan O'Donnell(ライアン・オドネル)のヴォーカルが少ないのも残念。もっとO'Donnellに任せて今のAndersonには無理な高音の歌メロも入れてほしかった。

個々の曲の出来としてはTAAB2がやや上、アルバムトータルのまとまりとしてはHOMO ERRATICUSに軍配というのが今時点の評価です。


HOMO ERRATICUS 情報まとめ


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2014/04/24 twitter2014/04/27 twitter ブログトップ

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