全曲レビュー #53:"Locomotive Breath" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"Locomotive Breath / 蒸気機関車のあえぎ" -- AQUALUNG 1971年
言わずと知れた代表曲。JETHRO TULLの3大代表曲をあえて挙げるとすれば、この曲と"Aqualung / アクアラング""Thick As A Brick / ジェラルドの汚れなき世界"だと思うが、他の2曲がまれにセットリストから漏れることがある一方でこの曲はほぼ確実に演奏される。
ピアノとギターの長いイントロの後、印象的なリフが反復するTULL流ハードロックである。ブラッシングを交えたリフ自体がタイトル、すなわち陸蒸気のピストン駆動音を表しているが、中間の激しいフルートソロも汽笛を連想させる。
歌詞は(Ian Andersonがエジンバラでの幼少期に学んだ)長老派の予定説をネタにして宗教と世俗の矛盾を歌っている・・という説があるが(Allen Nollen, P.71)、どうだろうか。Old CharlieをCharles Darwin(チャールズ・ダーウィン)に擬するとか、言われてみればそう取れなくもないが、深読みしすぎのような気もする。他に死をテーマにしているという説もある(Russo, P.60)。結局のところ、いつものパターンのただ曖昧で良く分からない歌詞にBibleだのGodだのキーワードをちりばめてあえて前後の曲との整合性を取ろうとしたAndersonのイタズラではないだろうか?
AQUALUNGのアルバム制作は難産だったと言われ、Ian Andersonはバンドが自分の思い通りの音を出せないことに苛立っていたという。そのためか、Andersonは他のメンバーに先立ってドラムとギターの一部を自らプレイしている。結果、John Evanが追加したイントロ以外は、ほぼAndersonのアイディア通りの出来上がりらしい。
なお、Ian Andersonは(少なくとも当時は)車の運転免許を持っておらず、鉄道がお気に入りの交通手段だったらしい。
私はやっぱりただの"train song"だと思うが・・・
--
↓よかったらクリックお願いします↓
2009-02-08 23:43
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0