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全曲レビュー #46:"Cheap Day Return" [e:全曲レビュー, 1968-1973]

"Cheap Day Return / 失意の日は繰り返す " -- AQUALUNG 1971年

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Ian Anderson(イアン・アンダーソン)得意のアコギ弾き語り。中でもこの曲は約一分半しかない文字通りのアコースティック小品となっている。
イントロのアルペジオが美しい。

歌詞はパーソナルなもので、入院した父親の見舞いにブラックプールに帰郷したことを歌っている。

歌詞中のPreston(プレストン)とはブラックプールへの分岐点に当たる駅であり、また"old man"は父親を意味する。

父親を見舞いに行ったら看護婦が紅茶を出してくれ、地元の有名人であるAndersonのサインをねだったんだと。

というわけで日本盤の歌詞対訳は間違っている。

また、タイトルの"Cheap Day Return"とは日帰り往復切符のことで、邦題も誤訳である。この歌は父親の見舞いのためでも日帰りで里帰りしなければいけないAndersonの多忙さをも示している、のだと思う。
AQUALUNGは反宗教のコンセプトアルバムだなどと未だ一部で誤解されているが、このアルバムを含め初期Tullの歌詞の根底に匂うのは、Ian Andersonが幼少時に両親に受けた(長老派の)厳格な教育と親子の対立である。ここで父親への歩み寄りが歌われているのは、そこに一つの区切りがついたということを示唆しているのかもしれない。

ちなみに、往復切符の"Cheap Day Return"が片道切符と大して値段が違わないのは英国の摩訶不思議である。
なお、ここで歌われている父親James Andersonは70年代いっぱい存命する。そして、Ian Andersonは息子にJamesと名付ける。


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