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全曲レビュー #130: "Dun Ringill" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Dun Ringill / ダン・リンギル" -- STORMWATCH 1979年

珠玉の名曲。JETHRO TULL / ジェスロ・タルのアコースティック曲の最高曲と評されることもある。

スコットランドのお天気おじさん、Francis Wilson(フランシス・ウィルソン)の語りを導入に、アルペジオのリフと秀逸なメロディで成るシンプルな曲だ。くどくもなく、物足りなくもない、絶妙な構成である。完璧、といっていいかもしれない。

アルバムジャケットにある"Lines join in faint discord and the Stormwatch brews..."のフレーズがこの曲からの引用であるところからも、事実上のアルバムタイトルトラックと言って良い。

当然ファンの人気は高く、ライヴの定番となっている。Dun Ringill(ダン・リンギル)とは当時スコットランドはスカイ島にあったIan Anderson(イアン・アンダーソン)の家の近所の古い砦の遺跡のことである。

"In the wee hours I'll meet you down by Dun Ringill."

ええと、要するに「家においでよ。」ということ?しかも夜。

ちなみに、SLIPSTREAM用にプロモクリップが撮影されているが場所はダン・リンギルではない。


大きな地図で見る




YouTube: Jethro Tull - Dun Ringill



Lines join in faint discord and the Stormwatch brews
a concert of kings as the white sea snaps
at the heels of a soft prayer
whispered


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全曲レビュー #129: "Old Ghosts" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Old Ghosts / 年老いた妖怪達" -- STORMWATCH 1979年

なんだか肝試しみたいなタイトルですが、実にメロディアスな佳曲です。

John EvanのピアノとDavid Palmerのストリングズが涙もののメロディを奏でてますが、低音を渋く効かせつつ伸びやかなところもみせるIan Andersonのヴォーカルも聴きものです。今じゃ無理ですね・・・。が、低音がこれまでよりやや細くなってる気もして少し衰えも出てるなあと感じたりもします。

一般的な評価は高くありませんがSTORMWATCHはホントに良いメロディが詰まってます。

↓5分くらいから




YouTube: Jethro Tull - North Sea Oil & Old Ghosts (RockPop, 1980)




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全曲レビュー #128: "Something's on the Move" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Something's on the Move / サムシングス・オン・ザ・ムーヴ" -- STORMWATCH 1979年

B面トップはハードロック調で幕開け。ギターリフをメインに据えた押せ押せの曲だ。ライヴ映えがするのか、あるいはIan Andersonが考えていた新たな方向性に合致していたのか、80年代に入ってからもセットリストに残っていた。

主役は何と言ってもMartin Barreのギターで、どことなくRitchie Blackmoreを思わせる部分もある。ラストはギターソロがフェイドアウト。おいしい部分をかっさらっていきます。

ベースはIan Anderson。

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全曲レビュー #127: "Warm Sporran" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Warm Sporran / 防寒具スポラン" -- STORMWATCH 1979年

A面を締めくくるインスト曲。

スコティッシュ・トラッド・ロックと言って良い曲で、全編でマンドリンが前に出ているだけでなく、後半ではバグパイプ曲にロックアレンジをかぶせたような構成になっている。それでいて要所にシンセも入っていて、トラッドをベースにしつつ一歩踏み出そうという意欲もあるようだ。

JETHRO TULL流トラッドロックとしてはひとつの完成型ではないだろうか。

Sporran(スポラン)とはスコットランド人が民族衣装のときに身に付けている財布である。キルトがめくれないようにする押さえの意味もある。キルトの下は・・・です。間違ってこうなることも。

でも「防寒具」ではないと思う・・・

ベースを弾いているのはIan Anderson。




YouTube: Learn How To Wear A Sporran




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全曲レビュー #126: "Dark Ages" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Dark Ages / ダーク・エイジズ" -- STORMWATCH 1979年

JETHRO TULLで最も過小評価されている曲、ではないだろうか。ベスト盤に入ることもなければライヴでも80年代以降はほとんど演奏されない。

9分を超える大曲で、暗いながらもテクニカルで複雑な構成である。千変万化の表情を見せるドラミングはBarrie Barlowのベストプレイのひとつと言われる。中間部のギターもいかにもMartin Barreの音色である。

しかし、この曲以降STORMWATCHは暗くなるんだよなあ。聴きやすい曲でもないし、評価が低いのは分からんでもない・・・

なお、リフはベートーヴェンの"運命"のパクリである。後にIan AndersonはAQUALUNG LIVE収録のトーク"Riffs - Another Monkey"で、古今の代表的リフの例としてこの"ダダダダーン"を歌っていたが、「お前それパクってたじゃんかよ!」と突っ込みたかったのは私だけではあるまい。(まあ確かにこのトークはアイディアの使いまわしを肯定するような内容だったが。)

レコーディング前のツアー(ベースはJohn Glascock)ですでにプレイされていた。スタジオテイクはアレンジが進んでおりまとまりが出ている。STORMWATCHツアーではDave Peggを迎えてさらに破壊力を増している。

このスタジオテイクではIan Andersonがベースを弾いている。↓のレコーディング風景ではJohn Glascockは元気そうだけど・・・




YouTube: Jethro Tull record Dark Ages (1979 documentary)




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全曲レビュー #125: "Home" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Home / ホーム" -- STORMWATCH 1979年

Ian Andersonお気に入りのスローバラード。曲自体はJETHRO TULLにしてはシンプルな方でヴォーカルメロディが伸びやか。

ライヴではイントロにピアノが入っていて、そっちのアレンジの方が雰囲気が出ている。STORMWATCHの曲はライヴではややアレンジに工夫があって、そっちの方が曲としての完成度が高い。レコーディング段階では不完全だったのか、新加入のDave Peggによりツアーでは創意工夫が働いたのか、理由はよくわからないけど。

EPとしてシングルカットされたがたいして売れなかった。Ian Andersonが家でくつろいでいるジャケットはなかなか良い。

ベースはIan Andersonが弾いている。




YouTube: Jethro Tull - Home and Orion - Live 1980 classic lineup - upgrade




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全曲レビュー #124: "Orion" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Orion / オリオン星座" -- STORMWATCH 1979年

オリオンは英語でオライオンであること、この曲で初めて知りました。

いかにもMartin Barreらしいギターサウンドが支える動のパートとアコースティックとストリングズが絡む静のパートが繰り返される曲。私は特に静のパートが好きで、特にDavid Palmerによる哀愁漂うストリングズは絶品だと思う。

ベースはJohn Glascockなので初期にレコーディングされたと思われる。

STORMWATCHはあまり評価が高くないが、この曲のような物憂げないかにもブリティッシュロックなメロディがいっぱい詰まっていて聴きがいがあるアルバムだと思う。(ちょっとテンション低めだけど・・・)




YouTube: Jethro Tull Orion 4-1-1980 Remaster Tulletti Projects



全然関係ないけど東長崎にあるオリオン食堂というラーメン屋が好きです。


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全曲レビュー #123: "North Sea Oil" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"North Sea Oil / 北海油田" -- STORMWATCH 1979年

"I tell you one thing that really drives me nuts, is people who think that JETHRO TULL is just a person in a band." - 映画「アルマゲドン」より

ついにSTORMWATCH。トラッド三部作の最後を飾り、70年代最後のアルバムでまた全盛期の幕を引いた作品でもある。全英第27位、全米第22位とセールス的にも陰りが出ている。

冒頭のこの曲はキャッチーにまとまったなかなかの秀作。北海油田によるオイルバブルを題材にした歌詞だが、曲調はあくまで明るい。
歌詞に出てくるアバディーンとは北海油田の基地があるスコットランドの街である。

北海油田はアルバムの邦題にもなっているが「STORMWATCHは北海油田をテーマにしたコンセプトアルバム」というのは誤り。アルバムの曲の多くがスコットランドを題材にしているのは確かだが。

John Glascock病欠のため、ベースはIan Andersonが弾いている。




YouTube: Jethro Tull - North Sea Oil & Old Ghosts (RockPop, 1980)




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全曲レビュー #122: "Broadford Bazaar" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Broadford Bazaar / ブロードフォード・バザール" -- HEAVY HORSES Remastered Edition Bonus Truck 2003年

NIGHT CAPで陽の目を見たアウトテイク。未完成っぽいアコースティック弾き語り曲だが、メロディの良さはJETHRO TULLの曲の中でもピカ一。ボツにしてしまうとは大変もったいないぐらいだが、これ以上の展開が思いつかなかったのかもしれない。

ただフルートは、音色から判断してNIGHT CAPに収録する際にオーバーダブされたものではないかと思う。

ブロードフォードはスコットランドはスカイ島にある田舎町で、Ian Andersonが当時住んでいた場所の近所である。学生の時に行ったことがあるのだが、嵐にあって大変な目にあった思い出がある・・・


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全曲レビュー #121: "Living in these Hard Times" [f:全曲レビュー, 1974-1979]

"Living in these Hard Times / リヴィング・イン・ディーズ・ハード・タイムズ" -- HEAVY HORSES Remastered Edition Bonus Truck 2003年

ここからアウトテイク。アコースティックギターを取り入れて聴いた感じ明るい曲だが、歌詞は不景気をテーマにしていて暗い。絞り出すように苦しく歌っているのはその辺を反映しているのだと思う。

この歌詞のためだろう、近年にライヴで取り上げられるようになった。このテーマは"Fallen on the Hard Times"(THE BROADSWORD AND THE BEAST収録)へと引き継がれる。

まあでも次のアルバムでオイルバブルを歌うことになるんですが・・・

初出は20周年BOX


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