全曲レビュー #169: "Wond'ring Aloud (13th December 1970)" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"Wond'ring Aloud (13th December 1970) / ワンダリング・アラウド(1970年12月13日のレコーディング)" -- AQUALUNG 40th Anniversary Edition 2011年
AQUALUNG本レコーディングのアウトテイク。ベースとピアノの入り方、そしてストリングズが入っていないところが本テイクとの大きな違いだが、David Palmerは最終的に仕上がったものにだけストリングズをかぶせていた、ということか。しかしこのストリングズの有無で結構印象が違う。Palmerの仕事の大きさが認識できる。
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全曲レビュー #168: "My God (Early Version)" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"My God (Early Version) / マイ・ゴッド(アーリー・バージョン)" -- AQUALUNG 40th Anniversary Edition 2011年
モーガン・スタジオにおけるAQUALUNG初期レコーディングからの発掘テイク(注)。ほぼ完成しているといって良い。モーガン・スタジオでのレコーディングは上手くいかず、JETHRO TULLはいったんツアーに出るが、そのツアーで"My God"はいちはやくプレイされており、ワイト島ライヴやカーネギーライヴで聴くことが出来る。
このモーガンテイクはそれらのライヴバージョンに近い構成で、歌詞もほぼ同じである。最終的にAQUALUNGに収められたテイクよりも粗削りでワイルドだ。
(注)AQUALUNG40周年記念盤のブックレットにはこのEarly Versionがモーガンスタジオのテイクだとははっきりとは書かれていないが、Blu-ray/DVDでこの曲を再生するとモーガン・スタジオの名前が入ったマスターテープボックスが写る。ベーシストはGlenn Cornick。
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モーガン・スタジオにおけるAQUALUNG初期レコーディングからの発掘テイク(注)。ほぼ完成しているといって良い。モーガン・スタジオでのレコーディングは上手くいかず、JETHRO TULLはいったんツアーに出るが、そのツアーで"My God"はいちはやくプレイされており、ワイト島ライヴやカーネギーライヴで聴くことが出来る。
このモーガンテイクはそれらのライヴバージョンに近い構成で、歌詞もほぼ同じである。最終的にAQUALUNGに収められたテイクよりも粗削りでワイルドだ。
(注)AQUALUNG40周年記念盤のブックレットにはこのEarly Versionがモーガンスタジオのテイクだとははっきりとは書かれていないが、Blu-ray/DVDでこの曲を再生するとモーガン・スタジオの名前が入ったマスターテープボックスが写る。ベーシストはGlenn Cornick。
YouTube: Jethro Tull - My God - Tanglewood 1970
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全曲レビュー #63:"Nursie" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"Nursie / ナーシー" -- LIVING IN THE PAST 1972年
Ian Anderson(イアン・アンダーソン)弾き語りのアコースティック小品。曲というよりはパートといった感じで、劇的に盛り上がることなくあっさりと終わる。こういった勿体ないアイディアを他の曲想とつなげていくことで出来上がったのが"Thick As A Brick"なのかもしれない。
ちなみに、あっさり終わる弾き語りという点でAQUALUNG収録の"Cheap Day Return"に通じる曲調だが、実は歌詞の題材も同じで、Andersonの父親の入院のことを歌っている。"Nursie"とは"Nurse"すなわち看護婦のことであり、奇しくも"Cheap Day Return"と同じく日本盤の歌詞対訳が間違っている。
A LITTLE LIGHT MUSICにライヴバージョンが収録されているが、ここでは弾き語りのみで終わらず、バンドアレンジでもう一度繰り返している。
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Ian Anderson(イアン・アンダーソン)弾き語りのアコースティック小品。曲というよりはパートといった感じで、劇的に盛り上がることなくあっさりと終わる。こういった勿体ないアイディアを他の曲想とつなげていくことで出来上がったのが"Thick As A Brick"なのかもしれない。
ちなみに、あっさり終わる弾き語りという点でAQUALUNG収録の"Cheap Day Return"に通じる曲調だが、実は歌詞の題材も同じで、Andersonの父親の入院のことを歌っている。"Nursie"とは"Nurse"すなわち看護婦のことであり、奇しくも"Cheap Day Return"と同じく日本盤の歌詞対訳が間違っている。
A LITTLE LIGHT MUSICにライヴバージョンが収録されているが、ここでは弾き語りのみで終わらず、バンドアレンジでもう一度繰り返している。
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全曲レビュー #62:"For Later" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"For Later / フォー・レイター" -- LIVING IN THE PAST 1972年
ジャズロック的なインストゥルメンタル。Ian Andersonはフルートに専念。反復されるリフが印象的だが、曲展開は起伏があり、ここで聴けるこの編成のインスト面でのポテンシャルの高さが、次のTHICK AS A BRICKの完成度へ繋がっていくことになる。
なお、LIFE IS A LONG SONG EPで最初にリリース時には"From Later"とミスクレジットされていた。
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ジャズロック的なインストゥルメンタル。Ian Andersonはフルートに専念。反復されるリフが印象的だが、曲展開は起伏があり、ここで聴けるこの編成のインスト面でのポテンシャルの高さが、次のTHICK AS A BRICKの完成度へ繋がっていくことになる。
なお、LIFE IS A LONG SONG EPで最初にリリース時には"From Later"とミスクレジットされていた。
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全曲レビュー #61:"Dr. Bogenbroom" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"Dr. Bogenbroom / ドクター・ボーゲンブルーム" -- LIVING IN THE PAST 1972年
Ian Anderson(イアン・アンダーソン)のアコギをベースにバンド全体でプレイされるこの時期の典型的なJETHRO TULL / ジェスロ・タルスタイルのフォークロック。音楽性もまさしくAQUALUNGとTHICK AS A BRICKの中間にある。
ラストはMartin Barre(マーティン・バー)のギターソロとJohn Evan(ジョン・エヴァン)のピアノとハープシコードで閉められ、それぞれ見せ場がある。が、新入りドラマーBarrie Barlow(バリー・バーロウ)のプレイは、前任者のClive Bunker(クライヴ・バンカー)を意識しているようでまだ本領を発揮しきっていないようだ。
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Ian Anderson(イアン・アンダーソン)のアコギをベースにバンド全体でプレイされるこの時期の典型的なJETHRO TULL / ジェスロ・タルスタイルのフォークロック。音楽性もまさしくAQUALUNGとTHICK AS A BRICKの中間にある。
ラストはMartin Barre(マーティン・バー)のギターソロとJohn Evan(ジョン・エヴァン)のピアノとハープシコードで閉められ、それぞれ見せ場がある。が、新入りドラマーBarrie Barlow(バリー・バーロウ)のプレイは、前任者のClive Bunker(クライヴ・バンカー)を意識しているようでまだ本領を発揮しきっていないようだ。
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全曲レビュー #60:"Up the 'Pool" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"Up the 'Pool / アップ・ザ・プール" -- LIVING IN THE PAST 1972年
タイトルの'Poolとはイングランドの町、ブラックプール(Blackpool/社交ダンスの中心地として有名)のことである。Ian Anderson(イアン・アンダーソン)はスコットランド生まれではあるが少年期以降をこのブラックプールで育った。そして、JETHRO TULL / ジェスロ・タルの発端であるバンド、THE BRADES / ザ・ブレイズはここで結成された。
Barrie Barlow(バリー・バーロウ)が加入したことで、Martin Barre(マーティン・バー)以外のメンバーがTHE BRADESのメンバーとなっており、それにちなんで作られた曲なのかもしれない。(Early Versionの存在により、AQUALUNGの時には出来ていた曲だということが分かった。)ただし、歌詞は懐かしむというよりシニカルな内容で、ブラックプールに対するAndersonの複雑な印象が垣間見える。(これは後の"SeaLion"にも引き継がれる。)Andersonはヴァイオリンもプレイしている。
JETHRO TULLのトリビュート盤で、同じくブラックプール育ちのRoy Harper(ロイ・ハーパー)がこの曲をカヴァーしている。アコギ弾き語りで、原曲を超えているかと思わせる凄い出来である。TULLのバージョンと聴き比べると両雄対決といった感じで面白い。Andersonもこのカヴァーに触発されたのか、JETHRO TULLのライヴセットリストに一時期復活させていた。さらに返礼としてか、Harperの1998年のアルバムTHE DREAM SOCIETYにゲスト参加している。
AQUALUNG40周年記念盤にリミックス(5.1ch及び2ch)されて収録されたが、オリジナルミックスは LIVING IN THE PASTで聴くしかない。
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タイトルの'Poolとはイングランドの町、ブラックプール(Blackpool/社交ダンスの中心地として有名)のことである。Ian Anderson(イアン・アンダーソン)はスコットランド生まれではあるが少年期以降をこのブラックプールで育った。そして、JETHRO TULL / ジェスロ・タルの発端であるバンド、THE BRADES / ザ・ブレイズはここで結成された。
JETHRO TULLのトリビュート盤で、同じくブラックプール育ちのRoy Harper(ロイ・ハーパー)がこの曲をカヴァーしている。アコギ弾き語りで、原曲を超えているかと思わせる凄い出来である。TULLのバージョンと聴き比べると両雄対決といった感じで面白い。Andersonもこのカヴァーに触発されたのか、JETHRO TULLのライヴセットリストに一時期復活させていた。さらに返礼としてか、Harperの1998年のアルバムTHE DREAM SOCIETYにゲスト参加している。
AQUALUNG40周年記念盤にリミックス(5.1ch及び2ch)されて収録されたが、オリジナルミックスは LIVING IN THE PASTで聴くしかない。
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全曲レビュー #59:"Life Is A Long Song" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"Life Is A Long Song / 人生は長い歌のようなもの" -- LIVING IN THE PAST 1972年
コンピレーション盤LIVING IN THE PASTのD面には、1972年にリリースされ全英第13位のヒットとなったLIFE IS A LONG SONG EPの収録曲が丸ごと入っている。この曲はそのEPのタイトルトラック。
基本はアコースティック曲で途中からバンドアンサンブルとなる。絶頂期JETHRO TULLを支えた名ドラマー、Barriemore Barlowのデビュー曲でもある。フルートソロはIan Andersonの名演のひとつ。David Palmerによるストリングズも絶妙である。
たびたびライヴでも演奏されファンの人気も高く代表曲のひとつといって良いが、ベスト盤THE VERY BEST OFの日本盤ライナーで「78年に出したシングルのカップリングナンバーだった地味な~」と不当な解説をされてしまった曲でもある。
元メンバーのDave Peggのお気に入りで、JETHRO TULLのトリビュート盤やFAIRPORT CONVENTIONでカヴァーしている。
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コンピレーション盤LIVING IN THE PASTのD面には、1972年にリリースされ全英第13位のヒットとなったLIFE IS A LONG SONG EPの収録曲が丸ごと入っている。この曲はそのEPのタイトルトラック。
基本はアコースティック曲で途中からバンドアンサンブルとなる。絶頂期JETHRO TULLを支えた名ドラマー、Barriemore Barlowのデビュー曲でもある。フルートソロはIan Andersonの名演のひとつ。David Palmerによるストリングズも絶妙である。
たびたびライヴでも演奏されファンの人気も高く代表曲のひとつといって良いが、ベスト盤THE VERY BEST OFの日本盤ライナーで「78年に出したシングルのカップリングナンバーだった地味な~」と不当な解説をされてしまった曲でもある。
元メンバーのDave Peggのお気に入りで、JETHRO TULLのトリビュート盤やFAIRPORT CONVENTIONでカヴァーしている。
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全曲レビュー #58:"Wond'ring Again [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"Wond'ring Again / ワンダリング・アゲイン" -- LIVING IN THE PAST 1972年
AQUALUNG収録の"Wond'ring Aloud"の原曲で、AQUALUNGの半年前、1970年6月にレコーディングされていた。組曲形式になっており、後半のパートが歌詞とアレンジを変えられ"Wond'ring Aloud"となった。しかしこの長いバージョンも捨てがたく、個人的にはこちらの方が好きである。
基本アコースティック曲だが、時折差し挟まれる、Martin Barre(マーティン・バー)のフロントピックアップを使用したエレキギターが良い味を出している。フルートソロもIan Anderson(イアン・アンダーソン)の名ソロの一つだと思う。
初代ベーシスト、Glenn Cornick(グレン・コーニック)在籍最後のレコーディング曲となった。AQUALUNGに先立ってレコーディングされた理由だが、シングルにでもしようとしたが何らかの理由でボツった、アルバムを製作しようとしたが難航してお蔵入りになった、等が考えられるが、不明。
AQUALUNG 40周年盤に完全版が"Wond'ring Aloud, Again (Full Morgan Version)"として収録され、さらに長い曲だったことが判明した。
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AQUALUNG収録の"Wond'ring Aloud"の原曲で、AQUALUNGの半年前、1970年6月にレコーディングされていた。組曲形式になっており、後半のパートが歌詞とアレンジを変えられ"Wond'ring Aloud"となった。しかしこの長いバージョンも捨てがたく、個人的にはこちらの方が好きである。
基本アコースティック曲だが、時折差し挟まれる、Martin Barre(マーティン・バー)のフロントピックアップを使用したエレキギターが良い味を出している。フルートソロもIan Anderson(イアン・アンダーソン)の名ソロの一つだと思う。
初代ベーシスト、Glenn Cornick(グレン・コーニック)在籍最後のレコーディング曲となった。AQUALUNGに先立ってレコーディングされた理由だが、シングルにでもしようとしたが何らかの理由でボツった、アルバムを製作しようとしたが難航してお蔵入りになった、等が考えられるが、不明。
AQUALUNG 40周年盤に完全版が"Wond'ring Aloud, Again (Full Morgan Version)"として収録され、さらに長い曲だったことが判明した。
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全曲レビュー #57:"By Kind Permission of" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"By Kind Permission of / 許しにより" -- LIVING IN THE PAST 1972年
カーネギーライヴより。本来は"With You there to Help Me"の後半のインストなのであるが、LIVING IN THE PASTに抜粋して収録された。
John Evanの曲、というよりクラシックの引用で構成されたピアノソロが主体である。つまり、タイトルは曲が引用で構成されていることを示している。"許しにより"という邦題は?である。
本体の"With You there to Help Me"の方は25周年ボックスにこのピアノソロの部分を省いて収録された。それはそれですっきりして聴き易くなってたりする。ワイト島ライヴの"With You there to Help Me"はこの"By Kind Permission of"を含んだ完全版となっている。
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カーネギーライヴより。本来は"With You there to Help Me"の後半のインストなのであるが、LIVING IN THE PASTに抜粋して収録された。
John Evanの曲、というよりクラシックの引用で構成されたピアノソロが主体である。つまり、タイトルは曲が引用で構成されていることを示している。"許しにより"という邦題は?である。
本体の"With You there to Help Me"の方は25周年ボックスにこのピアノソロの部分を省いて収録された。それはそれですっきりして聴き易くなってたりする。ワイト島ライヴの"With You there to Help Me"はこの"By Kind Permission of"を含んだ完全版となっている。
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全曲レビュー #56:"Wind Up (quad version)" [e:全曲レビュー, 1968-1973]
"Wind Up (quad version) / 終末 (クォッド・ヴァージョン)" -- AQUALUNG Remastered Edition Bonus Truck
本来なら"Wind Up"で追記しておくべきだった。AQUALUNGには4chミックスが存在するが、その内"Wind Up"はテイク違いであり、リマスター盤CDにボーナストラックとして収録されている。
妙に軽い音でキーがTULLにしては高い。おそらく本来のレコーディングからピッチを上げて音を作っているのではないか。どうということのない出来である。
どうせならアルバムごと5.1chでリミックスしてDVD-AudioなりSACDなりで出してほしいものだ。
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本来なら"Wind Up"で追記しておくべきだった。AQUALUNGには4chミックスが存在するが、その内"Wind Up"はテイク違いであり、リマスター盤CDにボーナストラックとして収録されている。
妙に軽い音でキーがTULLにしては高い。おそらく本来のレコーディングからピッチを上げて音を作っているのではないか。どうということのない出来である。
どうせならアルバムごと5.1chでリミックスしてDVD-AudioなりSACDなりで出してほしいものだ。
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