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A Passion Play - An Extended Performance 雑感#3~リミックス [c:TULL Trivia]

前回

これまでのシリーズと同じく、Steven Wilsonによるリミックスが行われいる。ステレオと5.1chのそれぞれがあるが、やはり本命は5.1chでありステレオはオマケだと思う。(これは近年のIan Andersonのソロも同じ。)

特にA Passion Play本体は前回のリマスターの出来も良かったので、今回のステレオリミックスで劇的に音質が向上したかというとそうでもない。オリジナルのエンジニア、Robin Blackがグッジョブだったということだろう。

ただ、今回のリミックスの目玉に"The Foot Of Our Stairs"に新発見のパートが見つかったというのがあり、本リミックスが「完全版」とはいえると思う。

もっとも当の"The Foot Of Our Stairs"の未発表部分だが、これまでのミックスに聴きなれていると冗長に感じてしまうのが正直なところ。アナログの収録時間の関係でカットされたと言われているが、冗長だから削ったのではないだろうか。

今回のリミックスにあたってIan Andersonの注文があり、それは「大部分のサックスを消せ」だったらしい。サックスはAndersonにとって黒歴史。Barriemore Barlowも同じようなコメントを寄せている。
だがしかし、本作をよく聴いた諸兄には言うまでもないが、本作はサックスがふんだんに使われており、削るなんてまず無理である。
結局サックスはほとんど残してリミックスされている。というか、オリジナルミックスでは聞けなかったフレーズもあるのでかえって増えているんじゃないか・・・

なお、ブックレットのAndersonのインタビューでどうしてサックスを止めたのか真相が語られている。

しかしやはり5.1chリミックスは立体感があって良い。"10.08 to Paddington"から"Magus Perde"を経て"Epilogue"へたどり着く前人未到の流れを5.1chで聴くと、初めてこのアルバムを聴いたころを思い出し、改めて新鮮な気持ちで感動する。毎度のことながら傑作の凄さをあぶりだすSteven Wilsonには脱帽です。


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