SSブログ

全曲レビュー #230: "Puer Ferox Adventus" [g:全曲レビュー, 1980-]

"Puer Ferox Adventus / 第4章:荒野の予言者:新たな時代が印され" -- HOMO ERRATICUS Ian Anderson Solo 2014年

タイトルはラテン語。英語でWild Child Coming。邦題もArs Longa Vita Brevis少年易老学難成に倣って漢文にすれば良かったのに。

歌詞は一応キリスト教伝来を下敷きにしているのだが、オープニングSEが戦争の音でもう皮肉全開である。

で、冒頭でThe Isle of Lindisfarnと出てきて個人的に感無量である。これはイングランドとスコットランドの国境近くに浮かぶホーリー島のことで、かつてヨークにJethro Tullのライヴを見に行った帰りに鉄道の車窓から見て、すごく気になって調べたことがある。車窓からだと近海にぽつんと島があって城が立っており実に神秘的なのだ。(結局行けなかったが。)



このホーリー島というのはイングランドにおけるキリスト教布教の基地だったわけだが、歌詞は時系列をさかのぼり、ローマ皇帝のコンスタンティヌス1世によるキリスト教の公認(そしてそれに政治的な事情が背景あったことを匂わせる)、そしてキリスト本人の話へと続く。しかし非常に曖昧で正直良く分からない。Wild Child=野生児、というのは処女懐胎を指してるんだろうか・・・

サビの"There's a new age dawning here, to an old age plan"は"A New Day Yesterday"の"It was a new day yesterday but it's an old day now"を連想させる。なんか結局ポジティブな解釈になってしまうのだが。

肝心の曲であるが、この曲は7分を超え、アルバムで最も長い。また、テンポが遅いこともありやや中だるみの感があるのは否めない。終盤のソロでやっとハードになるがすぐもとのスローな歌に戻る。このソロで終わって次に繋いだほうが良かったと思うのだが(次もスローだし)、Ian Andersonはどうしてもキリスト教(の展開)に嫌味を言いまくりたかったらしい。
また、Andersonのヴォーカルが高音部がかなり苦しく、それも曲の魅力を引き出せてない一因のようにも思う。Ryan O'Donnellに歌わせるべきだった。一方でJohn O'Halaのオルガンは実に良い音を出していてグリッサンドも効かせて実に70年代っぽい。


--
↓よかったらクリックお願いします↓
人気blogランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

2014/05/24 twitter2014/05/25 twitter ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。