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RAINBOW - DOWN TO EARTH / ダウン・トゥ・アース [j:CRITIQUE OBLIQUE]

Dte
1979年のスタジオ盤4作目。全英第6位/全米第66位。

Ritchie BlackmoreのRAINBOWのアルバムの中でも、名盤とされるか無視されるか評価が別れているように思う。

中世的ハードロックからポップなロックへ大転換を図ったアルバムで、Graham Bonnetが参加した唯一の作品。このアルバムの製作前に大幅なメンバーチェンジが行われているが、気の合わない非英国人を追い出しただけのようにも見えなくもない・・・RAINBOWはブリティッシュハードロックのように誤解されているが、全メンバーが英国人なのは実はこのDOWN TO EARTHのみである。(より厳密にはイングランド人4人とウェールズ人1人。)

音楽性転換の理由はRitchie Blackmoreのポップソング好きに帰させられることが多いが、当然大人の世界でそんな綺麗事だけなわけはなく、本当のところ経済的な事情があり、バンド存続のためにどうしても - 特に最大のマーケットであるアメリカで - 売れる必要があったためである。

が、本作ではまだまだ中世的ハードロックの風味も残っており、ポップ化への過渡期である。これを中途半端と見るか、両方楽しめてオイシイと見るか・・・私は後者だ。それにメンバーは歴代最強編成だ。

Ritchie Blackmore(リッチー・ブラックモア) - Guitar
Cozy Powell(コーズィ・パウエル) - Drums
Don Airey(ドン・エイリー) - Keyboards
Roger Glover(ロジャー・グラヴァー) - Bass
Graham Bonnet(グレアム・ボネット) - Vocal

1. All Night Long / オール・ナイト・ロング
2. Eyes of the World / アイズ・オブ・ザ・ワールド
3. No Time to Lose / ノー・タイム・トゥ・ルーズ
4. Makin' Love / メイキン・ラヴ
5. Since You Been Gone / シンス・ユー・ビーン・ゴーン
6. Love's No Friend / ラヴズ・ノー・フレンド
7. Danger Zone / デンジャー・ゾーン
8. Lost in Hollywood / ロスト・イン・ハリウッド

これまで城だの魔術だのオタクな歌詞[E:crown]だったのが、このアルバムで主に歌われているのは、Love[E:heart02]、である。曲調もそうだがこの変わり身も海外のファンには衝撃だったと思う。

アナログ時代はA面トップが"All Night Long"、B面トップが"Since You Been Gone"で、両方ともシングルカットされたポップロックである(前者は全英第5位。後者は全英第6位/全米第57位。)。アナログだと冒頭の曲を聴かざるを得ないわけで、強烈なアピールだっただろう。特に"Since You Been Gone"はRuss Ballardのカヴァーだったことも理由なのか、リリース当時旧来のファンから非難されたらしい。後追いのファンとしては、"All Night Long"の"Man on the Silver Mountain"の焼き直しリフや無茶な展開にBlackmoreのなりふり構わないところが垣間見えて泣けるのだが。

"Since You Been Gone"はCozy Powellの猛反対にあい、脱退につながる。Graham Bonnetの加入前に、Peter Goalbyがオーディションで歌ったという。音源残ってないのか・・?
その他の曲は歌詞こそラヴソングが多いが音は骨太のハードロックだ。名曲"Eyes of the World"なんて見事に中世的ハードロックだし。Cozy Powellはポップ化をあれほど嫌っていたはずであるがすさまじい名演を繰り広げている。

曲作りはBlackmore、Glover、そしてAireyを中心に行われたが、政治的事情によりAireyはクレジットされていない。

唯一残念なのは音質だ。まさかJETHRO TULLのMaison Rouge Studioを使用したことが原因ではないと思うが。聴き易さを狙って軽い音作りにしたのだろうが・・・もうマーケットに媚びる必要はないので今から重厚な音にリミックスして欲しい。

あと、この頃からRitchie Blackmoreのプレイが雑になっていく。元々雑なところはあったのだがそれをパワーや勢いでカバーしていた。ところがこの頃から雑な面が目立つようになる。イクイップメントの問題もあったのかもしれないが。

売れるためにポップ化したはずだが、英では6位まで昇り100位以内に37週も居座る大ヒットとなったものの肝心のアメリカではさほど売れず(66位)[E:crying]、。シングルも同様で米では売れなかった。残念ながら目論見は外れたのである。しかし英では大ヒットしてこれまでのカルトバンドとしての評価から脱却することに成功し、1980年の第1回Monsters of Rockのトリを務めることになる。

私にとっては超名盤です・・・

[E:sagittarius]参考:チャートでみるRAINBOWの歴史




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